そして、自宅を望む人にとって、そこがどのような安心や幸せにつながる場所なのかを、医療者も一緒に考えることです。筆者が「家で大丈夫ですよ」と伝えるとき、その言葉には、こうした支えを引き受ける責任を込めています。
その人らしく暮らすために
病気になっても、できなくなることばかりではありません。治すことのできない病気であっても、苦しさを和らげることはできる。食べられなかった人が、もう一度「おいしい」と感じることもある。大切な人と話し、笑い、季節を感じる時間を取り戻すこともできる。
そして、その人が大切にしてきた暮らしに医療や介護が入っていくことで、生まれる時間があります。
この連載では、筆者が実際に出会ってきた患者さんやご家族の姿を通して、がん、認知症、精神疾患、ひきこもり、独居、生活困窮など、さまざまな事情を抱えた人が、地域でその人らしく暮らし続けるために何ができるのかを考えていきます。
病気や困難を抱えても、「当たり前の幸せ」をあきらめなくていい。そのために医療に何ができるのか。患者さんや家族とともに、これからも考えていきたいと思います。


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