「空いている土地があっても、条件のいい場所はすぐに民間が買って、建物を建ててしまうんです」
実際、渋谷区の土地は高額だ。2026年の地価公示によると、区内の住宅地の平均価格は1平方メートル当たり約187万円、商業地は約930万円に上る。 区の面積は15.11㎢で、 東京23区中15番目 。さらに、明治神宮や代々木公園、新宿御苑の一部などの緑地が約1割を占めている。
土地が限られる上に、取得には多額の費用がかかる。公共施設の整備に適したまとまった土地を確保するのは、容易ではないのだ。
同じ区内で特養が建つ国有地もあるのに…進まない旧千駄ヶ谷住宅跡地の活用
渋谷区と国との見積もり合わせが不調に終わり、旧千駄ヶ谷住宅跡地が留保財産に選定されてからは、地域住民と土地を所管する関東財務局、渋谷区の三者間で、定期的に話し合いの場が設けられていたという。
しかし、関東財務局では担当者が2年に一度ほどのペースで異動することもあり、地域住民の間では、「話し合いを続けているのに、なかなか話が進まない」という声があったという。
もっとも、担当者の異動と土地活用の停滞との関係は明らかではない。国側の判断や交渉の詳細についても不明な部分があり、活用に向けた動きの全容はまだ見えない。
旧千駄ヶ谷住宅跡地での活用のメドが立たない一方、神宮前3丁目には、国有地を活用した特別養護老人ホームの整備が進んでいる。


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