パンを含めたフルコースを食べても、リブレの数値は安定していた。星野さんに参加を呼びかけたのも、浅沼さんだった。
月20食、全体の1%でも続ける理由
第1期から参加する浅沼さんの豆腐店「十二庵」では、ロカボの「できたてとうふ御膳」の注文は月に20〜30食ほど。全体の注文の1%前後だ。正直なところ、事業として大きな数字ではない。それでも続ける理由を尋ねると、浅沼さんは熱を込めて語った。
「お客さんを増やそうとか、売り上げを増やそうとか、そういう考えじゃないんです。まずはロカボを伝えたい。食事の制約があっても、喜ぶ人を増やしたい。それが僕らの思いなんです」
筆者が参加した説明会の資料には、「三方よし」の図があった。中心にいるのは町民と観光客と家族。その周りを、医師や企業、そして町が囲む。山田医師が描く、ロカボが広がった先の姿だ。
薬やインスリン注射が不要になれば、本人の医療費だけでなく、健康保険組合の負担も減る。町の財政にとっても、無関係な話ではない。
その実現に向け、山田医師は書籍やメディアで発信し、料理人と一緒にメニューを考える。診察を続けながら、ロカボを広める活動にも力を注ぐ。その原動力は何なのだろう。
答えはシンプルだった。
「だってみんな、おいしく、楽しく、お腹いっぱい食べたいでしょう?」
・山田悟 著『運動をしなくても血糖値がみるみる下がる食べ方大全』文響社、2021年
・湯河原町「ヘルスツーリズム(ロカボ)について」
https://www.town.yugawara.kanagawa.jp/soshiki/8/27322.html
・消費者庁「栄養成分表示について」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/nutrient_declearation
・文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/mext_00001.html
・湯河原町『令和8年版 湯河原町統計要覧』
https://www.town.yugawara.kanagawa.jp/uploaded/attachment/18312.pdf
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