ただし、「何でもいい」は、話と無関係なことを延々と書くという意味ではありません。
雑談が入り口になったなら、「この話は、今日の内容とどうつながるのかな」と戻ってくる。
メモは、話から離れるためではなく、話との接点をつくるために使うのです。
「全部書く」より「自分の一言」を足す
反対に、メモを頑張ろうとして、相手の言葉を全部書こうとするのも注意が必要です。
書くのに必死になって、次の説明が耳に入らない。
それでは、聞くために始めたメモが、聞くことの邪魔になってしまいます。
目指したいのは、話の完全な複製ではありません。
「今の話を、自分はどう受け取ったか」が少しでも残っていることです。
先生の説明を短く書いたあとに、「つまり、こういうこと?」と自分の言葉を添える。わからなければ、疑問符をつける。それだけでも、写す作業とは違ってきます。
たとえば、割合の説明を聞いて、「割合=比べる量÷もとにする量」と書く。そこに「何を基準にするかが大事」と一言足してみる。さらに、「同じ100円引きでも、元の値段でお得さが変わる」と思いついたら、それも残す。
ここでは、説明を覚えるだけでなく、意味を言い換え、別の場面に使おうとしています。「勉強で習ったことを、ほかでも使える」という地頭力につながる練習は、こうした小さなところから始められるのではないでしょうか。
コーネル大学が紹介するノート法でも、講義の記録に加えて、あとから問いをつくること、自分の言葉で説明すること、すでに知っていることとのつながりを考えることが勧められています。
大切なのは、紙を文字で埋めることより、書いたものを使って考えることなのです。


※ログイン後、コメント入力が可能です。