ポイントは、単純に最高出力を追い求めたわけではないことだ。狙いはむしろ低中回転域。発進や追い越し、高速道路への合流など、日常でよく使う領域にもうひと押しの力強さを持たせることにある。欧州A2仕様では最高出力を従来の400と同等に抑えながら、最大トルクは37.0Nmから42.6Nmへ約15%も増やしたことからも、その狙いは明白だ。
世界的に見ると、300~500ccクラスは、初めて本格的なスポーツバイクに乗る人に向けた「エントリー・ライトミドル」として重要なカテゴリーである。軽量で扱いやすく、街乗りから高速道路を使ったツーリングまで幅広く対応できる、実用性の高いクラスとして人気がある。
つまり、500ccになったからといって、400ccより上級になったわけではない。400ccの気軽さや扱いやすさを生かしつつ、世界市場で求められる余裕ある走行性能を追求した結果が、451ccという排気量なのである。
“あと少し”を埋めた451ccエンジン
水冷並列2気筒DOHCエンジンは、ストロークアップによって451ccへ拡大。ピークパワーを追いかけるのではなく、公道からスポーツライディングまで幅広く使える実用域を磨き上げている。従来の399ccエンジンは、高回転までシュンシュンと吹け上がる爽快さが魅力だった。その一方で、コーナーの立ち上がりなどでは「もうちょっとパンチがあればなぁ」と感じる場面もあった。新型は、まさにその“あと少し”を埋めてきた印象だ。
高張力鋼トレリスフレームをはじめ、車体寸法やライディングポジションなど基本的なパッケージは400シリーズの美点を継承。だからこそ乗った瞬間から馴染みやすく、排気量アップによる恩恵だけをストレートに感じ取れる。


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