自分の体験や暮らしを素材に物語を紡ぐ作家にとって、身の回りの環境はそのまま作品の源泉になる。20代の作品は東京が舞台になることが多く、10代の少女たちの物語は、自分自身が少女時代に感じた“ときめき”から生まれていた。
「10代の時の貯金で書いてたんですよね。でも、それっていつまでも続くわけじゃないじゃないですか。アウトプットばっかりで、インプットする隙がなかった。こんなことしてたら絶対枯渇するに決まってるって思いました」(折原さん 以下の発言すべて)
転機は、小笠原への旅だった。海や自然、そこで生きる人たちに触れ、昼間に起きて太陽のもとで暮らしたいと思った。もともと海が好きで、子どものころから、いつか海のそばに住みたいという夢があった。
「『じゃあ、もう今だ』と思って」
33歳で、湘南に移った。
拠点づくりはモチベーションのカンフル剤
湘南に移ってからの作品には、海や自然が増えた。身の回りを素材にする作家にとって、住む場所を変えることは、新しいインスピレーションを得ることにつながった。
その経験もあってか、折原さんは湘南に根を下ろしたあとも、拠点を足してきた。
「湘南に引っ越してきたときには、それまでの生活がもう180度変わって、自然に囲まれた伸び伸びした生き方を、作品に落とし込むようになったんです。


※ログイン後、コメント入力が可能です。