やがて夫婦だけでは話が収まらず、義理の両親も交えて話し合うことになりました。そこで義理の両親から出たのが、妻にとってさらに受け入れがたい言葉でした。
「あなたたちも、いつか住むかもしれない家なんだから」
妻には、そのつもりはありませんでした。将来その家に住むという話を、夫婦で決めたこともありません。それなのに、義理の両親にとっては「息子夫婦にも関係する家」という認識だったのです。
妻が次第に冷めていったのは、毎月4万円そのものだけが理由ではありません。
夫は優しい人です。両親が困っていれば助けたいと思うことも理解できます。ただ、その優しさが自分の親にばかり向き、妻との将来については後回しになっているように感じられました。
「いい人なんだけど、私の気持ちは尊重してくれないんだな」
妻の中に、そんな思いが残るようになりました。
問題は「親にお金を出したこと」だけではない
実は、ここで最も問題なのは、親を援助していたこと自体ではありません。家庭によって事情はさまざまです。親の生活費や介護費、住居費を子世代が負担しなければならないケースもあるでしょう。
問題は、それが夫婦の将来設計に影響する金額なのに、事前に共有されていなかったことです。共働き夫婦の場合、「自分の収入は自分のお金」という感覚を持ちやすいものです。しかし、子どもを持つ、家を買う、老後に備えるといった共通の目標があるなら、毎月4万円の仕送りは、もはや夫1人だけの問題とは言えません。
本書でも、効率的に資産形成するためには、2人の「情報の透明性」を高めることが不可欠だと書いています。大切なのは、年収だけを知ることではありません。毎月いくら入ってきて、どこへ出ていき、貯蓄や投資を経て、最終的にいくら残るのか。このキャッシュフローを、2人が同じように把握することです。


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