家賃を払うお金も、働く気力もなくなってしまった。ここで救世主となったのが、後に夫となるパートナーだった。「それなら、うちにおいで」と彼の自宅に迎え入れてもらい、半年ほど引きこもり生活を送った。
ここまでの無気力に陥ったのは人生初のこと。しかし、その後は持ち前の活発さを取り戻していく。スポーツインストラクターだった夫の勧めでヨガを始めてみると、みるみる元気に。「こんなに良いものなら広めたい」とインストラクターの資格を取得。フリーのヨガインストラクターとしての活動を経て、ヨガを広めるためのウェブメディアやセミナーの運営をしているベンチャー企業に就職した。
さらに、「20代のうちに、まだ人生でしたことがない失敗をしよう」と、29歳で約1年間のアメリカ留学にも挑戦。すでに結婚していたが、夫の反対を押し切っての渡米だった。帰国後は、フリーランスで働きながら33歳で第1子を妊娠。思い描いていたライフステージの移り変わりを経験した。
紆余曲折がありつつ、マーケティングやヨガの世界に魅了されキャリアを積んできた栢原さん。42歳となった現在は、「中小企業診断士」の資格を保持し、経営者の伴走支援に尽力する。なぜ、この仕事に価値を見出したのか。
育児しながら猛勉強—37歳で「中小企業診断士」に
「子どもが生まれて、『この子を守り続けるには確固たる何かが必要だ』と思いました。私には実績はあるけれど、信頼を得るための材料が不足している。スキルを証明できるような資格を取得すれば、自身の武器になると考えました」
では、なぜ「中小企業診断士」だったのか。
「いろいろな要素があるのですが、父の会社が傾いてきたときに何もしてあげられなかったという『後悔』が、一つ大きな動機になっています。私が力をつけることで、父のように困っている経営者の方を支援できたら、世の中の役に立てると。また、仕事を通じて熱い思いを持った多くの経営者と出会う機会があり、『もっと経営を学びたい』という気持ちが芽生えました」


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