家についても、その感覚と同じだったという。住みやすくなったことで、それまで当たり前だと思って受け入れていた小さな不満に気づいた。
賃貸時代は、間取りが暮らしに合わなくても「こういうもの」と受け入れていた。玄関やリビングの狭さ、収納の使いにくさなど、ひとつひとつは小さなことでも毎日繰り返せばストレスになる。
リノベーションでは、そうした不満をできるだけ取り除いた。さらに住みはじめてからも、家具や収納を見直しながら使いやすい形に整えていった。完成後の最初の1年は、「とにかく家のことばかり考えていた」そうだ。
「家は一日のなかで一番長く過ごす場所ですからね。リノベーション前の家と今の家を比べたら、イライラが減ってる分、幸せだなって思います」
キッチンから寝室へ。回遊できる間取りにしてよかったこと
前編で触れた通り、キッチンを壁付けに変えたことで、キッチンから寝室へ直接抜けられる回遊動線が生まれた。実際に10年以上暮らしてきた今も、この回遊できる間取りは気に入っているという。
普段の移動がしやすいのはもちろんだが、意外なところで助けられたこともあった。大型の冷蔵庫を搬入したときのこと。通常のルートでは、廊下からドアへ直角に曲がるところが狭く、そのままでは通すのが難しかった。
「ドアを外さないと無理かなというくらいギリギリだったんです。でも玄関から寝室を通って大きく回るルートがあったので、すんなり搬入できました。回遊できなかったら入らなかったかもしれません」


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