TSUNさんは当初、物件とリノベーションを合わせて予算を組み、リノベーションには800万〜1000万円弱を見込んでいた。しかし購入したマンションが想定より高かったため、リノベーションに使える金額は約450万円まで減ってしまった。
マンションの購入を境に、もうひとつ状況が変わった。当初リノベーションを依頼する予定だった建築設計事務所との関係だ。
TSUNさんはもともと、物件探しからリノベーションまでをまとめて依頼できるワンストップ型の建築設計事務所に相談していた。ところが、自分たちでマンションを見つけて購入したころから、連絡や意見がかみ合わない回数が増えていった。さらに購入した物件が築3年と新しかったこともあり、担当者から「リノベーションは10年後でいいのでは」と提案されてしまう。
不安を感じるようになったTSUNさんは、思い切って依頼先を探し直すことにした。そこで別のリノベーション会社から紹介されたのが、建築家の碧山美樹さんだった。
「過去の事例を見て好みが似ているなと思いましたし、家事動線や収納に対する考え方に共感できました。とても話しやすくてフィーリングも合いそうだったので、碧山さんにお願いすることにしたんです」
新たな依頼先は決まったものの、リノベーションに使える予算は約450万円であることに変わりはない。「800万円でも低予算のほうなのに、450万円で正直どこまで理想の住まいを実現できるんだろうと不安でしたね」と振り返る
TSUNさんが調べたところによると、15年当時、一般的にスケルトンリフォーム(間取りを全部取り払ってイチからつくり直す)の費用は1m²あたり10万〜15万円が相場だったそう。70m²だと700万〜1050万円かかる計算になるので、不安になるのも頷ける。
そこでまず、自分たちがどんな家にしたいのかを整理することにした。
約450万円の予算内で「どんな家にしたいか」を言語化
TSUNさんは、碧山さんとの打ち合わせに入る前に、希望する間取りや内装、収納などをまとめた「リノベーションの要望書」を作成した。そのボリュームは全13ページにおよぶ。ここまで具体的な資料をつくった背景には、以前、実家の二世帯住宅を計画した際の経験があったという。


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