だとするならば、Beatsとしても考え方を変えねばならない。スポーツ専用のヘッドホンではなく、「あらゆるシーンで使えるヘッドホン」を作ることが重要だ。そして同時に、個性を演出できる仕組みも必要になる。
Beats 360では、標準添付のイヤーパッドの素材にファブリックを採用した。耳あたりが柔らかく、通気性も良いものだ。そのうえで、イヤーパッドと頭を支える上部のパッドを、交換可能にした。同時に、6色のファブリック素材のパッドと2色のレザー素材のパッドも販売する(ともに8900円)。
フィットネスをして汗で汚れたらすぐ取り替えられる。手洗いもできる。複数のイヤーパッドを用意しておけば、シーンに合わせて色の組み替えも簡単だ。写真は左右の色を合わせているが、違う色にしたっていい。
現状でも組み合わせパターンは256通りあるという。Beatsは今後も、さまざまなタイミングで別の色のパッドを追加販売していく計画を持っている。さらには、「他社がBeats 360向けのパッドを作ることも妨げることはしない」(コステロ氏)と話す。
ノイキャンは同社製品最強。技術よりも「スタイル」を優先
こういう話をすると、「単にパッドが変えられるヘッドホンを作った」と思われそうだ。
だが、実際には違う。
スポーツをする時にもつけてもらうには、できるだけ軽いつけ心地のヘッドホンが望ましい。しかし、ヘッドホン内のスピーカーサイズを小さくしてしまうと、音質に大きな影響が出る。Beats 360はノイズキャンセル機能を搭載しているので、その点でも「一般的なヘッドホンと同じようなサイズ」であることが求められる。デザイン的にも「軽いから小さい」のでは、ヘッドホンで個性を演出する人に求められないものになってしまう。
そこでBeats 360は、技術的に面白い選択をした。
実は、左右のスピーカーはケーブルでつながっていない。正確にいえば、ヘッドバンドの部分には「電源ケーブル」だけが通っている。だが、通常なら存在する、左右のスピーカーをつなぐケーブルはない。だから、ヘッドバンドは非常に細く、軽いものになっている。


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