アップル創業50年の本質は何か、ジョブズが示した「疑念の階層」とAI時代に貫く"責任あるものづくり"の思想
今月はじめアップルが創業50周年を迎えた。Yahoo!やGoogleといったインターネット世代の企業と比べると20年近く年上。ゼロックスやIBMといった20世紀初頭誕生組と比べると半世紀ほど若い1976年生まれだ(グリー創業者、ミクシィ創業者、ツイッター創業者など、日米のソーシャルメディアの創業者らがこの年の生まれだ)。
同世代の会社としては、1年設立の早いマイクロソフトや1年遅いオラクル社などがある。アップルがパソコン時代を切り開いた旗手なら、マイクロソフトはパソコン用ソフトウェアを商品として流通させるビジネスを確立し、オラクルはデータベースで成功した会社だ。
アップルは、1980年、フォードモーター以来の急成長企業としてアメリカ史に名を残すが、創業経営者のスティーブ・ジョブズを追い出した後は10年以上の不毛な時代を経て倒産の危機に見舞われる。ジョブズの劇的なカムバックで世界全企業の頂点に登り詰めた話はあまりにも有名だ。
この記事では、その転換点となるカムバックの初手で、ジョブズが顧客の信頼問題にどう向き合ったかを紹介し、さらに50年の歴史の延長線上に浮かび上がるアップルの未来も考察したい。
疑われ続けていたアップルのカムバック
一度アップルを追い出され大きく成長したジョブズは、アップル社のOS開発の行き詰まりを契機に1996年末、ネクスト社ごと買収される形でアップルに戻ることになった。ギル・アメリオ元CEOら経営陣とは距離を保ちつつ、会社にどんな人材が残っているかを確認すべく本社の全部署のほぼ全社員と話をしたと言われている。
その過程で生涯の友となる当時のデザイン部長、ジョニー・アイブと運命的な出会いをし、再びこの会社を自分が導かなければならないと自覚。詳細は省くがクーデターを起こしてアメリオ元CEOら経営陣と取締役会を全員追い出し、その1カ月後のMACWORLD EXPO/BOSTON 1997という重大イベントの基調講演に登壇し、アップルの未来を語り始めた。



















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