この順番にする理由は、全体像が最初の1周で見えることにあります。方向がずれていても、序盤で気づいて直せます。端から完璧に作っていくと、最後まで全体が見えず、根本のずれに終盤で気づいたときの手戻りが大きくなります。
時間切れに強くなる、という利点もあります。明日の朝までにプレゼン資料を用意する場面で、端からこだわって作るやり方だと、朝を迎えた時点で前半の4割しかできておらず、発表自体が成り立たない、という事故が起こりがちです。全体を先にひと回りさせる進め方なら、同じ時間切れでも「全体はそろっていて、磨き込みが4割」で止まり、理想の完成度でなくても、発表するという仕事は果たせます。
AIは粗いドラフトを一瞬で出せて、やり直しにも手間がかからないので、この「粗く作って何周も回す」進め方に無理がありません。スライドに限らず、報告書のような長い文書を任せるときも、まず「全体を粗くひと通り作って」と頼むところから始めてみてください。
構成案の修正点を話し言葉で伝える
出てきた構成案に、「課題のページは1枚にまとめて、その分、次のアクションを厚くして」「部長は数字を気にする人だから、実績の数字を頭に持ってきて」と、思ったことをそのままぶつけます。
この壁打ちを2〜3往復すると、構成案があなたの意図をだいぶ汲んだものに変わっていきます。丁寧な文章で指摘する必要はありません。相手は、隣の席に座っているあなた専属の秘書です。口頭で伝えるのと同じ雑さで十分です。
大胆な組み替えを恐れる必要もありません。元の材料は、原本と1枚のまとめ資料として成果物とは別に保たれています。構成をどれだけ作り直しても土台の情報は失われないので、見せ方の試行錯誤に集中できます。


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