冷凍生地についても、早くから取り組んできた自負がある。アンデルセンがアメリカから冷凍技術を導入し取得した特許を公開した結果、工場で製造した生地を冷凍保存し、店で焼き上げるベーカリーチェーンを立ち上げる企業が1970年代以降に相次ぐ。
アンデルセンの「リトルマーメイド」が1972年、東急グループが始めた「サンジェルマン」は1970年、山崎製パンの「ヴィ・ド・フランス」は1983年。神戸屋が「神戸屋キッチン」1号店を開業したのは1982年で、1988年に冷凍事業本部(現フローズン事業)を設立した。私たちがベーカリーチェーンやスーパーのインストアベーカリーの焼き立てパンを楽しめる背景には、こうした冷凍技術とその進化がある。
「われわれには、基礎となる確かな製パン技術があります。例えば、店で作って焼き上げる技術と、冷凍生地として仕込む技術は性質がまったく違う。その事業に合わせた最適な作り方のノウハウがあることが、われわれの強みです」と桐山社長。
業界を持続させ豊かなパン食文化を
冷凍生地事業では生地を供給するだけではなく、店舗運営や販売促進などの支援も行う。2022年に開始した個人店のパンを焼き立てで急速冷凍させて届ける「毎月PANDA!」は、岩手県から熊本県まで34店が加盟している。
ライバルの店を応援するのはなぜなのか。桐山社長は「パンの価値そのものを高めないと、技術的なレベルも上がらず、業界を持続させ豊かなパン食文化を作ることもできない。職人が個人で連携し合っている分野はありますが、パン業界はこれまでリージョナルの枠から抜け出せていませんでした」と話す。
桐山社長は、神戸屋から独立したが苦労する職人も見てきた。
「長くメーカーをやってきたわれわれには、品質管理基準の知識とスキルもある。それを提供することで、加盟店さんに喜んでいただいています」と言う。


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