身軽になった神戸屋では、以前より事業間の連携が深まったという。
例えば、商品開発会議は店舗の従業員も含めて行い、各店の顧客層や季節に合わせて商品の一部を変えるようになった。
2月までの包装パン事業などを含めた2023年の約118億円の総売り上げが、2025年には約152億円に伸び、事業別に見ると、2025年は前年と比べ冷凍生地事業が107%、直営事業が103%に伸びている。リブランディングには、そうした成果と今後の方向性を世間に公開する目的がある。
イノベーションを興すには健全な遊び心も必要
1918年にパンの製造卸業からスタートした神戸屋が、直営店事業を始めたのは1936年。その時点で、イートインも併設している。
3年後に大手企業として初めてパンを包装するなど、「もとをたどれば、非常に野心的な会社だったと思うんです。しかし規模が大きくなると、生産性や安定性を優先するようになりました。その中で育った社風は、まじめで堅実。それはそれでいいパーソナリティではあったんですが、原点回帰で野心的な部分を取り戻したい。イノベーションを興すには健全な遊び心も必要という思いから、“Be Playful”を掲げました」と桐山社長。
神戸屋はまた、質を大事にする企業である。事務職でもパン製造技能士の資格を持つ人が多く、新入社員は製パン研修を受ける。
また、パンの世界大会「クープ・デュ・モンド・ドゥ・ラ・ブーランジェリー」では日本が初参加した1994年大会以降、神戸屋の職人が多数日本代表選手に選ばれ、メディアが大きく取り上げた2012年には、チームの3人中2人が神戸屋の職人で優勝。その1人、長田有起さんは2014年開催の個人戦でも優勝した。
「パンの質を上げるには、基礎がしっかりできていないといけない。材料を選定し、こねて分割し、発酵させて成型し焼き上げる。手で作ろうが機械で作ろうがそこは同じなので、われわれはその基礎を大事にしたいと考えています」と桐山社長は話す。


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