大阪に行くたびに、「食い倒れの街」だとしみじみ感じる。JR大阪駅・梅田界隈を見ても、地上だろうと地下だろうと、デパートだろうと駅ビルだろうと、どこもかしこも飲食店だらけだ。365日毎日違う店を選べそうなくらい、数もバリエーションも、そして価格帯も豊富だ。東京ではこぎれいな再開発ばかりが進み、駅回りはすっかり無機質なビルだらけになってしまったが、こちらは人間の体温を感じさせる。
そんな大阪の新ランドマークとして注目を集めるのが、大阪駅北側を再開発して誕生したうめきた公園と、その周辺を囲む真新しい商業施設群だ。2024年に先行まちびらきを行い、大阪・関西万博が開幕した25年春には数多くの飲食店もオープンした。ただし、人間味あふれる食い倒れの街というより、澄まし顔をしたスマートな店舗が多い。
その中でも話題となったのが、グラングリーン大阪・南館地下1階に広がる巨大フードコート「タイムアウトマーケット大阪」だ。オープン前のリリースには「フード&カルチャーマーケット」との記述があり、フードコートと呼ぶのは適切ではないかもしれない。「フードホール」というべきか。
コートかマーケットかホールなのかの違いは後にするとして、このタイムアウトマーケットは一時なんとも不名誉な語られ方をされていた。「駅直結だというのに客の姿がない」「すでに廃墟化か」というように。それほど人流がないのかとぼんやり思っていたが、たまたま大阪を訪れた際に友人が連れていってくれた。ありがたいことに現場を見る機会に恵まれたわけだ。
広すぎて戸惑うが、客はちゃんといる
「タイムアウトマーケット大阪」は総面積約3000平方メートル超、約800席という広大なスペースを有している。17のキッチンと2つのバーがあり、客はそれぞれ好きな店で料理をオーダーし、好きなスペースで食事を楽しむ。ちなみに完全キャッシュレスだ。
「客が全くいない」なんて揶揄されていたが、そんなことはなかった。筆者が訪れたのは土曜日の夕方だったが、そこそこ利用客の姿はあった。確かにスペースが広いので戸惑うが、逆に言えば、大人数でも席を心配することなくすぐに座れる。しかも、混雑していないので時間を気にすることもない。ゆっくり仲間とおしゃべりしたいなら、あるいはちょっとした打ち合わせをしたいなら、駅も近いし穴場といってもよさそうだ。店側にとっては、空いていてお勧めとは皮肉に聞こえるかもしれないが――。


※ログイン後、コメント入力が可能です。