東京商工リサーチ(TSR)が保有する企業データベース(約440万社)から、直近の動向が把握できた測量業者を抽出した。ここでも全国9地区の10年間の推移は、同様の傾向がみられた。15年と25年を比較すると、北海道、東北、関東、中部、北陸、近畿、中国、四国、九州の全9地区で企業数が減少した。減少率は、北陸が18.4%減と最大で、中国9.8%減、中部9.5%減と続く。
一方、関東は5.0%減、近畿は3.5%減の減少率にとどまり、他地区と比べて抑制されている。地域によって減少の程度に差があるが、測量業者が増加した地区はなかった。
測量業者は、道路や河川をはじめとする社会インフラの整備や土地利用を支えている。測量業者の地域性が特に重要になるのが災害時だ。国土交通省中部地方整備局の富士砂防事務所では、災害発生時の被害拡大防止や被災施設の早期復旧に向け、測量や設計、観測などの応急対策業務を担う企業について、「災害発生時等に早期対応が可能な地理的条件」を選定条件としている。
関東地方整備局の日光砂防事務所でも、災害協定の締結先に「即時対応が可能な地理的条件」を求めており、災害対応は技術力だけでなく、現場に迅速に駆け付けられる体制も重視されている。
近年は地震や大雨などの災害が目立つ。気象庁によると、1時間降水量50ミリ以上の大雨の年間発生回数は、1976~85年と2015~24年を比べると約1.5倍に増えている。地区別の企業数から、地域の測量体制が不足しているとは即断できないが、全国的に測量業者の減少が続くなか、災害対応やインフラの維持管理を担う企業が地域ごとに確保されているか、今後の重要な論点になりそうだ。
10年前から代表者の高齢化が深刻
TSRが保有する企業データベース(約440万社)から測量業者を抽出し、代表者年齢の推移を分析した。25年は60歳代が963社(構成比32.5%)で最も多く、次いで70歳代が883社(同29.8%)、50歳代が663社(同22.4%)と続いた。60歳以上は2003社で、年齢が判明した企業全体(25年2956社)の7割近く(67.7%)を占めた。
国内のあらゆる産業で、経営者の高齢化や後継者不足が深刻な課題に浮上している。測量業でも、代表者の高齢化は最近始まったものではない。15年(判明3,445社)にはすでに60歳代が1634社と突出して多く、60歳以上が2140社(構成比62.1%)と6割を占めていた。その世代がさらに年齢を重ね、70歳以上は15年の506社から25年には1040社(105.5%増)へ倍増した。構成比も14.6%から35.1%へ大きく上昇している。

