性格の違う2種類を同時に測るデバイスはApple Watchだけだ、とAppleは主張する。加えて、これまで夜間だけだったバイタル計測に日中の心拍とゆらぎが追加され、夜の数値に異常が出る前に日中の変化で気づける、という位置づけが与えられた。
処理を担うのは新しいS11チップである。演算やAI処理の中核部分はスマートフォン向けのA20 Proと同じ設計で、新たに加わった常時動き続ける小さなプロセッサが、本体の主要な処理装置を起こさないままセンサーの計算を続ける。5秒ごとの計測を終日回しても電池が持つのは、この構造による。
精度についてAppleは、自社で実施した比較調査の結果を公開している。参加者は1460人、有効データは1254人分で、性別・肌の色調・年齢・体格に幅を持たせた設計だという。
基準となるのは胸に巻くタイプの心電図式計測器であるPolar H10で、比較対象にはGarmin、Google、Samsung、WHOOP、Ouraなど各社の腕時計型・指輪型デバイスが並ぶ。実施拠点はCupertinoの2カ所、San Diego、Austin、そしてマレーシアのSelangorの計5拠点。159件の活動と指標の組み合わせのうち139件でApple Watchが統計的に有意に高精度で、劣ったのは2件、いずれも僅差だったとしている。
ここは評価を分けて読む必要がある。自社製品を最良と結論づける自社調査である以上、第三者の追試を待つ姿勢が妥当だ。ただし、比較した機種名と拠点、除外基準まで公開している点は、検証できる形にしたという意味で評価できる。ちなみに除外基準には「テック業界で働いている人」が含まれており、筆者は被験者にはなれない。
なぜ今「準備度」なのか、開発チームに聞いた
筆者が最初に尋ねたのは、スコアを見た後に人にどう行動してほしいのか、という点だった。
Bolton氏は、準備度が示すのは「Ready」や「Pace Yourself」といった直感的な結果であり、その役割は2通りあると説明した。1つは、本人がすでに感じていること――今日は走るのに良い日だ、といった感覚――を裏付けて確認させること。もう1つは、夜間のバイタルの異常など、本人が気づいていなかったことを知らせることだ。結果として「今日は予定していたハードなトレーニングを少し抑えよう。睡眠が良くなかったし、夜間のバイタルも高めだから」といった判断材料になる、という。


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