なぜ、なぜ、なぜ――? 父親は彼女が18歳のときに亡くなっているので、直接尋ねることはできません。頭に渦巻く疑問を片づけるべく、晃子さんはあらゆる手を尽くして、真実を探し続けました。
あるときは東北放送の記者の協力を得て、父方の親戚の1人と血縁関係を調べるDNA検査を受けましたが、はっきりとした結果が出ませんでした。
親戚や近所の人にも片っ端から話を聞いて、母親から事情を聞いていたという小学校時代の担任にも会いにいきました。しかし、晃子さんが一番知りたかった「誰の子か」ということについては、聞くことができませんでした。
話を聞いて導いた「仮説」
いま、晃子さんのなかにはいくつかの仮説があります。その1つは、両親どちらとも血縁はなく、養子だったというものです。
「いろんな方の話を総合すると、父親は会社の跡継ぎが欲しくて、母親は養子はいらないと反対した。父親に説得されて母親が折れたのかな、と。でも、生まれるまで男女どちらかわからない。(養子の希望者リストに名前を掲載して)順番待ちをしていたら、たまたま私だった。父親はずっと私に『男だったらよかったのに』って言っていたので、そうなのかなと思いました」
他方で、「父親は父親、母親は別」ということも、まだありうると考えています。
「父親は誰かに(晃子さんを)生ませたんだけれど、私を(戸籍上の)『長女』にするために、菊田医師を通して養子にしたのかなって」
さらに「父親の親戚(の子)」という可能性もあるかもしれない、と晃子さん。DNA鑑定の微妙な結果や、父親と顔が似ていることから、そう考えたと言います。
今も真相はわかっていません。


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