人の名前がすぐに出てこない、映画の内容は覚えているのにタイトルが思い出せない、朝食を食べたことは覚えているけど、何を食べたのか思い出せない。こんな物忘れが続くと、将来認知症のリスクがあるのではと心配になる人もいるでしょう。
しかし体験そのものではなく、その一部が思い出せない状態は加齢に伴う変化であることも多く、すぐに認知症を意味するわけではありません。認知症には、加齢や遺伝的な体質に加え、睡眠不足、生活習慣病、脳血管の障害、慢性炎症、異常なたんぱく質の蓄積など、さまざまな要因が関わります。
コーヒーに含まれる成分の中で、注目されているのがカフェインとクロロゲン酸です。カフェインは眠気をもたらすアデノシンの働きを抑え、注意力や集中力を高めます。この大規模研究で認知症リスクの低さとの関連がみられたのもカフェイン入りコーヒーであり、カフェインが脳の健康を支える成分のひとつと考えられます。
一方、クロロゲン酸はコーヒーに豊富なポリフェノールで、酸化ストレスや炎症を抑え、血管や神経細胞を守る働きがあると考えられています。カフェインの覚醒作用と、クロロゲン酸などによる抗酸化・抗炎症作用が組み合わさることで、脳の健康維持につながるのでしょう。
カフェインを手軽にとれる飲み物としてエナジードリンクがありますが、コーヒーの代わりに何本も飲むのはおすすめできません。製品によってはカフェイン量や糖分が多すぎるものもあるからです。
カフェインが多すぎると、動悸や不安感が出たり、夜に寝つきにくくなったりします。睡眠不足はかえって脳の健康に悪影響を及ぼすこともあります。エナジードリンクやコーヒーも、自分の体調や体質に合わせて、飲む量とタイミングを調整することが重要です。
緊張時の脈拍も抑えてくれる
プレゼン発表という高ストレス下において、コーヒーの香りが、唾液中のストレス指標の上昇や脈拍数の増加を抑える可能性が示されました。
タイのマヒドン大学が32名の大学院歯科学生を対象に行った研究です。プレゼン発表のときに、同じ学生が複数回参加しており、参加回数で数えると、コーヒーの香りをかぐ条件が32回、香りをかがない条件が26回でした。


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