両条件でストレス反応を比較しました。ストレス反応のマーカーである唾液中のα-アミラーゼは、香りをかがない条件では発表後に176.62%増えたのに対して、香りをかいだ条件では81.02%の増加に抑えられました。
香りは感情や自律神経の働きに影響しやすい
味覚や聴覚などの情報は視床を経由して処理されるのに対して、匂いや香りの刺激は、感情に関わる大脳辺縁系の扁桃体などと密接につながる経路で処理されます。そのため、香りは感情や自律神経の働きに影響しやすいのです。
この研究では、コーヒーの香りをかいだ条件で唾液中のα-アミラーゼの上昇が抑えられ、急性ストレス反応の一部がやわらぐ可能性が示されました。また、プレゼン前後の脈拍数は、香りをかいだ条件では平均2.07回/分低下した一方、香りをかがない条件では平均6.90回/分増加しました。コーヒーの香りが、急性ストレスによる体の反応をやわらげた可能性があります。
アイルランドのユニバーシティ・カレッジ・コークの研究では、30~50歳の健康な成人62名を調べ、そのうち習慣的にコーヒーを1日3~5杯飲む31名が2週間コーヒーを控えた後、カフェイン入り16名とカフェインレス15名に分かれて3週間飲みました。
カフェイン入りでは不安や心理的苦痛が軽くなり、カフェインレスでは睡眠の質や記憶課題が改善しました。また、どちらのグループでもストレスや抑うつの自己評価が改善し、収縮期血圧はカフェイン入りでカフェインレスより低下しました。
この研究では、コーヒー摂取によって腸内細菌叢や便・尿中の代謝物が変化し、それらと気分や認知機能との間に関連がみられました。コーヒーに含まれるカフェインやポリフェノールなどの成分が、腸内細菌や代謝物との相互作用を通じて、気分や認知機能に影響している可能性が考えられています。
香りに関する研究は各国で行われていて、有名なのは、ラベンダーやバラの香りがストレスや不安をやわらげる可能性を示したものです。ペパーミントの香りには、気分をすっきりさせて集中力を高める一方で、ストレスやいら立ちを抑える可能性も報告されています。



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