ご存じのようにコーヒーといえばカフェインが有名ですが、ほかにもさまざまな成分を含んでいます。そのひとつが「トリゴネリン」です。
別の研究では、血中のトリゴネリン濃度が高い高齢者ほど筋肉量や握力、歩行速度が良好で、筋肉のミトコンドリア機能も高いことがわかりました。トリゴネリンは細胞がエネルギーをつくるうえで重要な物質「NAD+」の材料のひとつと考えられており、筋力や持久力を支える成分として注目されています。
また、コーヒーにはクロロゲン酸などのポリフェノールも含まれていて、体を酸化や炎症から守る働きが期待されています。体内では呼吸などによって活性酸素がつくられています。活性酸素は細菌を攻撃するなど大切な役割がありますが、増えすぎると細胞やミトコンドリアを傷つけてしまいます。体に備わる抗酸化の仕組みで処理できる活性酸素の量を超えた状態を「酸化ストレス」といいます。
この状態が続くと、慢性的な炎症が起こる原因となります。コーヒーに含まれるクロロゲン酸などのポリフェノールが、この過剰な活性酸素を除去して慢性炎症を緩和することで、筋肉が本来の力を発揮しやすい環境に整えられると考えられています。
細胞には、傷んだたんぱく質や古くなった小器官を分解し、再利用する「オートファジー」という仕組みがあります。動物を使った研究では、コーヒーを飲むとこの掃除機能が活発になり、肝臓や心臓、骨格筋の細胞内で古くなったたんぱく質や細胞小器官の分解と再利用が進みます。デカフェコーヒーでも同様の変化がみられ、カフェイン以外の成分も関わると考えられています。
将来の認知症リスクを抑える可能性も
カフェイン入りのコーヒーを適量飲んでいた人は、摂取量が少ない人より、将来の認知症の発症リスクが低い傾向であることがわかりました。アメリカの成人13万1821名を最長43年間追跡した研究で、1万1033名が認知症を発症しました。
カフェイン入りコーヒーの摂取量がもっとも多いグループは、もっとも少ないグループより認知症の発症リスクが18%低く、リスクがもっとも低かったのは1日2~3杯程度でした。さらに、別の研究でも1日1杯未満の人に比べ、1日2杯以上飲む人では認知症リスクが28~37%低くなることがわかりました。


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