中国から日本に来る観光客数は減っている一方で、相変わらず訪日している中国系の人々がいる。それは「華僑」「華人」である。ちなみに同じ中国系でも、華僑は中国籍を持つ人、華人は外国籍を取得した人のことを指す。
彼らは海外に居住する一方で、その多くの人の情報収集の手段や家族との連絡方法は、中国現地に住む人々と同じだ。
「RED(小紅書)」などのSNSで旅行先の情報を入手し、Trip.com(中国の予約サイト)などで現地ガイドやハイヤーを手配する。海外のパスポートを持っている華人の場合、データ上は中国以外の訪日観光客としてカウントされるが、その消費行動は訪日中国人と変わらない。
今回は、華人の超富裕層の夫婦(新生児の子連れ)が、中国の実家に帰省するのではなく、両家の両親も含めた大家族で訪日観光をした事例を紹介しよう。そのうえで、彼らが日本の旅行で求めているものを分析する。
アメリカの名門大で出会った夫婦
Aさん一家はアメリカのシカゴに住む30代半ばの夫婦で、アメリカの名門大学で出会った。
妻は中国浙江省出身で、当時流行していたUX(ユーザーエクスペリエンス)を学び、卒業時には、運よくアメリカの大手企業から内定を得た。さらに抽選で就労ビザ(H-1B)も当たり、アメリカでキャリアを積むことができた。現在は超大手企業でマネージャーを務めている。
夫は元々広東省出身だが、幼い頃に大学教授の父と医師の母とともに家族でアメリカの国籍を取得。金融会社での資産運用からキャリアを歩み始め、20代で「FIRE(経済的自立と早期退職)」を達成した。現在は仕事としてではなく、趣味で自身の資産運用を行っている。


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