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ライフ #自動車最前線

24年ぶり復活した「プレリュード」は現代のGTカーたり得るのか?600万円超のクーペで330km走って見えた素顔

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24年ぶりに復活した6代目プレリュード。月間販売計画300台に対し約1カ月で約2400台を受注(写真:筆者撮影)
  • 田中 誠司 PRストラテジスト、ポーリクロム代表取締役、VisionVoice取締役、PARCFERME編集長

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走り出した瞬間に意識したのは、モーターによる駆動力が結構強いということだった。とてもスムーズで静かな走り出しである。足回りはそれほど柔らかくないものの、良質なダンパーとスプリングをしっかりバランスさせたセッティングによって、路面の凹凸に対する衝撃の丸め方がうまいのだろう。高速道路に乗ってもスムーズな乗り心地は失われなかった。

山梨方面へ向かう中央高速の途中、ワイパーを最速にしても追いつかないほどの局地的な豪雨に遭遇した。そんな悪条件下にあっても、ステアリングを通じて手のひらに伝わってくる路面のインフォメーションは不思議なほど乱れなかった。サスペンションの接地性や直進性といった、車が走るうえでの「基本骨格」に対する安心感は極めて高い。

リアには、Hondaのロゴと往年のモデルを思わせるスクリプト書体のPreludeの文字(写真:筆者撮影)

雨上がりのワインディングロードへ差し掛かると、今度は微小なステアリング操作にピタリと応える応答性の良さが顔をのぞかせる。硬めのダンパーが路面のショックをきれいに丸め込んでいくため、クイックにコーナーをクリアしていく時間が純粋に心地よく感じられた。

試乗の終盤、首都高速道路の環状線を谷町から芝浦へと向けてゆっくり流していたときのことだ。ふと、エンジンがほとんど主張してこないことに気づいた。中央道からの下り基調でバッテリーに電気が溜まりやすかったからか、旅の最終盤はほぼモーターだけで走っていた。

331.3kmの旅を終えての平均燃費は19.4km/L。豪雨あり、山坂道あり、帰路の首都高の渋滞ありと、車にとって過酷なシチュエーションを駆け抜けた結果である。24年ぶりに復活したホンダ「プレリュード」は、流麗なスペシャリティクーペの外形をまといながら、極めて実用的で知的なハイブリッドGTとしての素顔を隠し持っていた。

「デートカー」として一世を風靡も、2001年に販売終了

「プレリュード」という名前に胸を熱くせずにはいられない世代は多いだろう。

初代が登場したのは1978年。2代目、3代目はリトラクタブルヘッドライトを備えたスペシャリティクーペは、「デートカー」として一世を風靡した。しかし、90年代に入るとRV(レクリエーショナルビークル、現在のSUV⦅スポーツ多目的車⦆のような車)ブームに押されてクーペ市場は縮小。2001年、5代目の販売終了をもって、プレリュードは23年の歴史に一旦幕を下ろした。

その名が「6代目」としてよみがえったのは25年9月である。ブランドが休眠していた期間のほうが長かったという事実に驚かされるが、その復活は市場から歓迎で迎えられた。

ホンダが掲げた月間販売計画300台に対し、発売からわずか1カ月で約2400台の受注を記録。一部店舗では受注停止の措置が取られるほどの人気となった。購入層の中心は50~60代。バブル期にこの車に憧れ、あるいは実際にステアリングを握った世代の心をときめかすことに成功したといえる。もっとも、税込みで617万9800円からという本体価格が、かつてのように若者が背伸びをして手に入れるのは難しくなったということもあるだろう。

美しいデザインで2025-26年の日本自動車殿堂で「カーデザインオブザイヤー」を獲得(写真:筆者撮影)
2.0リッター直4エンジンは最高出力104kW(141PS)、最大トルク182Nmを発生。最高出力135kW(184PS)、最大トルク315N・mのモーターと組み合わせてe:HEVを構成する(写真:筆者撮影)

全長4520×全幅1880×全高1335mmのボディに、ホンダ独自の2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」を搭載する。2.0リッター直4ガソリンエンジン(最高出力141PS)と電動モーター(同184PS)を組み合わせる。日常域ではモーターで走り、エンジンは発電を担うほか、高速走行時にのみクラッチを介して直接タイヤを駆動する。

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