だが、そんな山中城の大改修がまだ終わっていない天正18(1590)年に、秀吉軍が攻め込んでくる。
秀次を主力とした敵は約7万という大軍勢なのに対して、北条方は松田康長を城将に、間宮康俊が副将としてたった4200の軍勢で、山中城を守ることになった。
もし、山中城が落ちれば、小田原城も落ちてしまう――。
北条側はまさに背水の陣で挑むこととなったが、あまりに兵力の差が大きすぎた。攻撃から半日で落城させられてしまう。
それでも双方で死者数は2500人にも上る激闘となったのは「ワッフル堀」が威力を発揮した証拠といえるだろう。
『北条五代記』では、次のように戦況が伝えられている。
「堀へ飛び入り、飛び入り、土塁へヤリ、旗ざおを突き立て足場とし、人の上に人が連なって攻め上がり……」
北条家の滅亡とともに山中城は廃城となるが、蟻地獄の怖さを味わわせる「トラウマ堀」は、敵兵の記憶にいつまでも残っていたのではないだろうか。
実は日本全土は変な城だらけ!?
『ウソみたいだけど本当にあった へんな城』(真山知幸著/彩図社)の「第1章 戦の備えがへんな城」から、長浜城、赤穂城、山中城の3つをピックアップした。
そのほか「第2章 見た目・設備がへんな城」「第3章 立地がへんな城」「第4章 城をめぐるへんな事件・伝承」「第5章 へんな最期を迎えた城」などさまざまな角度から、総勢68のユニークな城や城跡を収録している。
シルバーウイークを始めに秋の休日には、本書を片手にぜひ城歩きをしてみてほしい。



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