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企業再生の「名医」か悪質な「略奪者」か 「プライベート・エクイティ」ファンドの合理性と「企業価値」の真実

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プライベート・エクイティ資本主義が世界を食い尽くす
PEファンドが医療など生活密着事業を意図的に狙っているという(写真:Luce/PIXTA)
  • 宮川 壽夫 昭和女子大学客員教授、元大阪公立大学大学院教授

INDEX

「資本主義の名医」か、それとも「患者の資産をむさぼる略奪者」か――。医療や住宅、公共サービスにまで侵食し、人々の日常から富を得ているPE(プライベート・エクイティ)ファンド。その実態を告発した新刊『プライベート・エクイティ資本主義が世界を食い尽くす』が大きな波紋を呼んでいる。彼らはなぜ生活密着事業を狙い、莫大な収益を上げられるのか。その構造をファイナンス学者が解き明かす。

入ってきた人は名医ではなかった?

いつのまにか日本でもプライベート・エクイティという単語を多くの人が使うようになった。直訳すれば、プライベートは非公開、そしてエクイティは株主資本なので「非公開株式」という意味にすぎない。

『プライベート・エクイティ資本主義が世界を食い尽くす』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

しかし、この単語には金融ビジネスとしての、ちょっと洗練された知的な香りが漂う。そもそもエクイティなのだ。

企業に資本を提供し、経営を改革し、企業価値を高める。行き詰まった企業に資本と経営能力を持ち込み、再生させる資本主義の名医――少なくとも、業界はそのような自己紹介を好むだろう。

しかし、本書を読むかぎり、診察室に入ってきたのは名医ではないようだ。患者の家を売り、借金を背負わせ、膨大な診察料と助言料をせしめて、そればかりか患者の容体が悪化すると「私?いえいえ、主治医じゃないので、ではこれで」と言ってあっさり診察室から去ってしまう人たちである。

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