中国発のファッションEC、SHEIN(シーイン)が9月1日、香港証券取引所に上場した。直近の売上高は約6.2兆円(418億米ドル、2025年12月期)と、アパレル企業では、世界最大手の「ZARA」を展開するスペインのInditex(インディテックス)に次ぐ規模だ。
現地報道によると、23年にはアメリカでの上場が有力視されていたが、米中貿易摩擦や人権問題への懸念などから承認が難航。その後、ロンドンでの上場を模索するなど紆余曲折を経て、結果的に香港での上場にこぎつけた。
上場初値は約990円(48.56香港ドル)で、初値ベースでの時価総額は約4.1兆円に達する。だが、22年2~3月にかけて実施した資金調達時の企業評価額約15兆円(982億米ドル)と比べると、企業価値は4分の1にまで引き下がった格好だ。
デジタルを駆使した生産モデルで急成長
シーインは08年に、現CEOを務める許仰天(スカイ・シュー)氏らが前身の企業を創業。12年にファッションEC事業を本格始動させ、今では世界160の国・地域に展開、2億人のアクティブ会員を抱える。世界のファッショントレンドを分析し、需要を予測しながら、縫製工場が集積する中国・広州を中心に生産した膨大な商品を日々、世界中に輸出している。
商品の大半は3000円以下で、シャツは1000円台、ニットは2000円前後が中心。格安な流行アイテムをネット上で手軽に購入できることから、若年層らの支持を集め、コロナ禍をきっかけに欧米を中心に急成長を遂げた。日本には21年に上陸し、東京・原宿のショールームやインフルエンサーを通じてブランドを宣伝し、知名度を上げてきた。

驚異的な安さとスピード生産を支えるのが、自社で開発した管理システムと、7500カ所以上に上る生産委託工場とのネットワークだ。
シーインでは、新商品はわずか100~200点と小ロットで生産を始め、各国での販売動向を見極めながら追加生産していく。この際、取引先の縫製工場に導入したシステムを通じて、各工場の稼働状況や商品別の在庫を可視化し、生産可能な工場に向けて自動的に発注を行う。EC専業で店舗運営にかかるコストを省き、足元の需要に応じた効率的な生産体制によって在庫リスクも抑えることで、価格競争力を維持している。
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