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企業再生の「名医」か悪質な「略奪者」か 「プライベート・エクイティ」ファンドの合理性と「企業価値」の真実

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プライベート・エクイティ資本主義が世界を食い尽くす
PEファンドが医療など生活密着事業を意図的に狙っているという(写真:Luce/PIXTA)
  • 宮川 壽夫 昭和女子大学客員教授、元大阪公立大学大学院教授
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さて、PEファンドとは、年金基金や投資家などから資金を集め、主として非上場企業または上場企業の非公開化案件に投資するビジネスである。本来その目的は、経営資源が不足する企業に資本と経営能力を提供し、企業価値を高めることにある。

具体的には、非効率な事業の再編、コスト削減、追加投資や成長投資の支援、財務構成の変更などを行う。最終的には事業会社への売却や他のファンドへの転売、あるいは株式上場によって投資を回収し、その収益を出資者に還元する仕組みである。

一般に、PEファンドは投資家から株主資本の出資を受ける一方、買収資金の相当部分を借入金で賄うLBO(Leveraged Buyout)ローンという負債を用いることが多い。

負債によって経営規律が高まり、余剰資金の浪費が抑制されるとの議論もあるが、負債を利用すれば、企業価値が上昇した場合、その価値の上昇分が相対的に少額の株主資本に帰属するため、株主の投資収益率は企業価値の上昇率を大幅に上回る。これを負債のギアリング効果と呼ぶ。

ただし、企業価値が下落した場合には損失も同様に増幅される。さらにLBOでは、買収後に投資先企業が生み出すキャッシュフローによって借入金が返済されれば、企業価値自体が増加しなくても、負債の減少分だけ株主資本価値は増加する。

キャッシュフローによる負債返済と高リターンの仕組み

ここでポイントは、投資資金の回収が買収後に投資先企業が稼ぐキャッシュフローで賄われるところにある。

PEファンドの高い投資収益率は、必ずしも事業自体の価値拡大だけから生まれるわけではない。投資先企業自身が生み出すキャッシュフローによって買収時の負債が返済されることが、株主資本価値を増加させる重要な要因となる。

そこに、相対的に少ない自己資金による買収の合理性が生じることになる。

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