小田急の新松田駅とJR東海の松田駅。どちらも「松田惣領」という古風な地名を所在地とする。「惣領」はいまでは「惣領の甚六」という言葉に残る程度だが、家督を継ぐ者を指す。周囲には「松田庶子(そし)」という地名もあって互いに飛び地のようになっている場所もある。
この地に松田駅が開業したのは1889年2月、当時の東海道本線の国府津―静岡間が開通したときだった。同じ月に大日本帝国憲法が公布されている。
意外に古い“新”松田駅
新松田駅は小田急の前身、小田原急行鉄道が新宿―小田原間で開業した1927年4月1日に誕生した。このとき御殿場線はまだ東海道本線の一部だった。
頭に“新”と付く駅名だが、その歴史は100年近くある。同世代の“新”駅としては、いずれも現在の社名で、東急電鉄の新丸子(26年)、名古屋鉄道の新鵜沼(同)、大井川鉄道の新金谷(27年)、JR東日本の新小岩(28年)などが挙げられる。


