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「脱炭素社会」実現の切り札?九十九里沖のCO2回収貯留めぐり賛否両論…環境への影響、莫大なコストの実態とは

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九十九里浜の沖合にそびえ立つCCSの掘削リグ(写真:編集部撮影)
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千葉県九十九里町の片貝海岸。サーファーや海水浴客でにぎわうビーチから約5キロメートルの沖合に、海面から高さ約130メートルの掘削リグがそびえ立っている。専用のヘリポートを備え、100~120人の作業員が24時間体制で勤務する。目的は、九十九里沖の海底の地層が、CCSの実施に適しているかどうかをボーリング調査で確かめることにある。

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CCSとはCarbon dioxide Capture and Storage(二酸化炭素〈CO2〉回収・貯留)の略称だ。工場や火力発電所などで発生したCO2を化学的処理などによって回収し、パイプラインや船舶で輸送したうえで、地下深くに貯留する。原油や天然ガスの増産で用いられてきた技術を応用したもので、ヨーロッパなどで先行して事業が始まっている。日本では九十九里沖のCCS事業がトップバッターの位置づけで、本格的な事業化の前段階となる試掘作業が今年7月に始まった。

このCCSをめぐり、賛否両論が巻き起こっている。推進する側は「脱炭素社会の実現のために不可欠な技術だ」とする一方で、「CO2を排出し続けることを容認し、脱炭素社会実現に逆行する」との反対意見も根強い。九十九里沖で検討されているCCS事業は、その賛否両論が交錯する舞台となっている。

前代未聞の巨大プロジェクト

CCS事業を進めようとしているのは、大手石油ガス開発企業INPEXおよび関東天然瓦斯開発が出資して設立された首都圏CCS株式会社だ。千葉県君津市の日本製鉄・東日本製鉄所君津地区など京葉工業地帯の工場などが排出するCO2を、全長80キロメートルに及ぶパイプラインを通じて九十九里浜まで運び、液体と気体の性質を併せ持った高圧の超臨界状態にしたうえで、海の底から約1000~1500メートル下の地層に注入する。

首都圏CCSによれば、2030年代初頭の事業開始初年度には年間約120万トン、将来的には年間約500万トンのCO2の貯留を見込み、およそ30年間の総貯留量は約1億5000万トンにも達するという。これまでに実施された北海道・苫小牧沖の実証事業(貯留量約30万トン)の約500倍もの規模に相当する、前代未聞の巨大プロジェクトだ。

ただ、CCS事業には課題も多い。環境や地域社会に与える影響については未解明な点があり、事業の自立性についても不透明な点が少なくないからだ。

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