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「入場無料」ナゾの昭和レトロ施設、大人まで夢中になる《意外な中身》熱海駅5分、海と逆方向の急な坂を登って50人行列が…

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熱海駅の裏手にある『展望レトロ喫茶 桃山館』(写真:筆者撮影)
  • 谷口 素子 取材ライター・コラムニスト

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11時前。熱海駅の改札を出た観光客の多くは、海へと続く下り坂を目指して歩いていく。ところが、その流れに逆らうように駅の反対側へ回り、ガードをくぐって急坂を登っていく人たちがいる。上りきった先の、静かな高台の別荘地。そこに突如、謎の行列が現れる。多いときは50人以上。若いカップルもいれば、3世代で訪れる家族連れもいる。

8台しか止められない駐車場はすでに満車で、あふれた車をコインパーキングに誘導している50代くらいの男性がいる。黒いズボンに白いシャツ、えんじ色のベスト。ネームプレートには“マスターです”の文字……。

かつてダイビングショップだったと記憶している建物は、今は赤と黄色の庇のテントが目を引くポップな雰囲気の2階建てに変わっていた。看板には『展望レトロ喫茶 桃山館』と記されている。

聞けば、入場料は無料だという。筆者は熱海と都内の2拠点生活をしているが、この施設を全く知らなかった。観光地・熱海で、わざわざ急坂を登ってまで人が押し寄せる“入場無料”のスポット? どう考えても、うまい話には裏がありそうだ。

熱海駅の裏手にある『展望レトロ喫茶 桃山館』(写真:筆者撮影)

聞こえてきたのは80年代アイドル…“昭和後半〜平成を切り取って

渚のバルコニーで待ってて~ ラーベンダーの

夜明け~の海が見たいの~ そして秘密……

(『渚のバルコニー』作詞:松本隆/作曲:呉田軽穂<松任谷由実>)

館内に入ると、耳に飛び込んできたのは80年代アイドルの曲だった。どれも一度は聞いたことがあるものばかりで、自然と口ずさんでしまう。同時に目に入ってきたのが「川﨑たばこ店」の看板と赤い電話機。まるで昭和の時代にタイムトリップする入り口だ。

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