店の中に貼ってある、昭和のスター・藤竜也がタバコに火をつけている写真……これは昭和後半に流行ったタバコの銘柄「キャスター」のポスターではないか。細かいところまで考え尽くされている。
屋上には展望デッキがあり、2階から外階段で上がれる。100円玉を入れてぐるぐる回るアンパンマンやきかんしゃトーマスの乗り物があり、本来は子ども向けだ。だが、時折大学生のグループがアンパンマンに乗って、相模湾をバックに回っている動画がネットにアップされている。
桃山館は山の中腹にあるわけではないのに、展望デッキからは熱海の街が一望できる。そのため、2026年には年間16回も開催される、熱海海上花火大会の観覧場所としても人気だ。
見晴らしがいい理由は単純で、施設にたどり着くまでにヘアピンカーブの急坂を登るからだ。ほんの数百メートルなのに、この坂がなかなかきびしい。
このルートをAとすると、Bルートも存在する。
「熱海駅前平和通り名店街」を抜け、数メートル先を右に曲がって桃山館を目指すルートだ。ヘアピンカーブはないものの、長い坂になっていて歩くと10分はかかる。
筆者のおすすめはAルート。熱海駅を降りたら、人の流れとは反対側に向かい駅のガードを抜けてヘアピンカーブをあがる。地図アプリによっては、商店街を抜けた道を案内されることもある。しかしGoogle Mapで検索すれば、ほぼAルートに誘導してくれるはずだ。
車で来館する際はさらに注意が必要だ。Aコースのヘアピンカーブの道しか桃山館には辿り着けない。商店街を抜けた道は、途中で階段が現れて行き止まりになっている。筆者もBルートを選び、Uターンして駅まで行ったので気をつけたい。
充実の施設が、なぜ“入場無料”で成り立つのか
昭和を演出しているのではなく、マスター自身が愛した風景を、そのまま再現している場所……それが桃山館だ。これだけ遊べて入場無料、しかも売り上げは右肩上がりを続けているという。しかし一体、どこで儲けているのか。後編では、マスター・川﨑博史さん本人に、その舞台裏を掘り下げて聞いた。


※ログイン後、コメント入力が可能です。