では、彼らは何をしていたのか。勉強を「楽しい」と思えるように、その科目への興味関心を広げる努力を、意識的にしていたのです。
基本的に、この世界にはどんな科目であっても「それを本気で楽しんでいる人」が存在します。数学がつまらないと思いながら数学を教えている先生は、あまりいないでしょう。数学の大学教授は、数学が好きで研究をしているはずです。古文でも、物理でも、世界史でも同じです。世の中の大多数が「つまらない」と思っている科目に、人生を懸けて面白がっている人が、必ずいる。
そして今の時代、そういう「その道の人」が発信するコンテンツには、簡単にアクセスできます。「数学の面白い話」を解説するYouTube動画。歴史の意外な側面を描く本。物理の不思議を紹介するネット記事。
苦手な科目、つまらないと思っている科目について、まず積極的にそういう「面白い話」の動画や本に触れてから、勉強に入る。そういう習慣を意識的に作っている東大生が、実際に多かったのです。
具体例を挙げましょう。物理が苦手だったある東大生は、いろんな情報媒体に触れる中で、「ジェンガも物理だ」という話を知って物理が好きになったそうです。
「ジェンガ」で物理が楽しくなる
ジェンガというのは、積み上げたブロックを1本ずつ抜き取っていくゲームです。どのブロックが抜きやすくて、どのブロックが抜きにくいのか。それは、上に乗っている重さと、ブロックにかかる力の関係で決まる。つまり、あのゲームは「力のつり合い」という物理そのものなのです。
その解説動画を見てから物理の勉強をすると、教科書の中の「力」や「摩擦力」という言葉が、急に生活とつながって見えるようになった。そこから物理が好きになっていったというのです。
別の例もあります。古文が嫌いだったけれど、「源氏物語は超面白い!」ということが書いてある本を読んで、「たしかに!」となって、そこから古文が好きになった東大生がいました。平安時代の人々の、恋の駆け引きや人間関係の機微。1000年以上前の物語が、「今読んでもめちゃくちゃ面白い人間ドラマ」だと知った瞬間、古文は「暗記科目」から「面白い物語の宝庫」に変わった、と。
このように、嫌いでも、苦手でも、「楽しい」と思える要素を、自分から見つけにいく。その努力をしている人が、東大生には多いように感じます。


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