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ライフ #ごみ収集の現場から

「民家に突っ込みそうに…」「180段階段でギブアップ!」 長崎の急坂を支える《人力ごみ収集》の壮絶現場と迫る人手不足

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長崎市 ごみ収集
坂が多い長崎市のごみ収集方法とは?(写真:筆者撮影)
  • 藤井 誠一郎 立教大学コミュニティ福祉学部教授

INDEX

2025年4月に長崎県佐世保市で収集車の入れない斜面住宅地から出されたごみを集める「引き出し収集」を体験し、本連載でその実態をお伝えした(参考:『斜面を上って、下って、また上って…。平均年齢55歳が支える長崎・佐世保の「人力ごみ収集」、知られざる「引き出し作業」体験ルポ』)。筆者がこれまで体験した数々の収集作業の中でも、1位、2位を争う「きつさ」であった。しかし、坂の街として全国的に有名な長崎市での体験なしには、「引き出し収集」の全体像を語ることはできないと思っていた。
たまたま長崎市の清掃職員の若手のホープである峰奏介氏(25)と知り合う機会があり、2026年3月、長崎市での引き出し収集を体験できることとなった。佐世保市とは違う長崎市ならではの現場の実態をお伝えしたい。

長崎市のごみ引き出し収集

長崎市の中心部は長崎港を中心としたすり鉢状の地形であり、坂が多い街として知られる。急な斜面に住宅が建ち並び、「よくこのような傾斜地に家を建てられたなぁ」と建築技術の高さを痛感させられる。生活道路としての狭隘(きょうあい)で急な坂や階段があり、中には住民の往来のために「斜面移送機器」という懸垂式モノレールが設置されている箇所もある。

斜面に建ち並ぶ住宅。奥に見えるのが長崎港(写真:筆者撮影)
「100段階段」の斜面移送機器(写真:筆者撮影)

傾斜地のごみ出しにおいて、住民に収集車が通行できる車道まで運んでもらうとなると、急な坂や長い階段を往復せねばならず、生活上の大きな負担となる。そのため、長崎市では、住宅地の中のごみステーションにごみを出してもらい、そこから清掃職員が車道まで引き出したうえで、収集車で積み込むという流れで業務を行っている。

急な階段の途中に設置されたごみステーション(写真:筆者撮影)

朝7時に峰氏と合流し、山の上にある清掃拠点の「中央環境センター」へ向かった。朝礼で挨拶をした後、本日の作業内容についての説明を受けた。

朝一で1時間ほど引き出し収集を行い、9時からは収集車に乗務して通常のステーション収集、午後からは引き出してきたごみの積み込みという作業内容であった。引き出し収集を行う坂や階段の1コースを「穴」と言い、当日は4穴を収集する予定と聞いた。

説明を受けた後、峰氏と清掃指導員(ごみ出しマナーの指導やごみステーションの管理を担当)の宮本氏と車に乗り込み、現場へと向かった。

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