ステーションは人一人が辛うじて通れる入り組んだ通路にも設置されており、そこまでバラを引っ張っていき、折り畳み式のステーションからごみを取り出して入れていく。収集後は畳んでフックをかけて広がらないようにし、次のステーションにバラを引っ張っていく。この作業を繰り返していく。
息が切れ、気を使う引き出し収集
バラだけでもかなりの重さがあるが、そこにごみが積み込まれると、引っ張るのにかなりの力が必要となる。とくに、使用済み紙オムツがぎっしりと詰まった袋などがあると、かなりの重量となる。
しかも、ただ引っ張ればいいわけではなく、しっかりとバラをコントロールしないと、狭い路地にひしめく民家の外壁や垣根といった器物を損壊しかねない。筆者もバラを引っ張らせていただいたが、道が曲がる箇所はかなりの力が必要であった。また、力を使うのと同じ程度に「気を使う」作業であった。
ステーションにあるごみもバラの中にただ入れれば良いというわけではない。実はコツがあり、小さいごみから先に入れるようにする。重いごみは、前を浮かせてバラを移動させていくため、バラの後ろに積み安定させるようにする。
ごみでいっぱいになったバラを階段から滑り降ろす時には、背中をストッパーにしてスピードが出ないように制御し、同じ間隔で設置されているとは限らない階段のため、足を踏み外し転ばぬように注意して進めていく必要がある。
恐る恐る引っ張り出してみたが、力を使い、気を使い、注力も必要となるため、車道に出た時には息が切れて会話にならなかった。体験した時にはまだごみが少ない時期とのことで、ごみの多い時期や猛暑・酷暑での引き出し収集はかなりの地獄になると予想された。
引き出し収集はマスコミにもしばしば取り上げられ、その時の撮影スポットとなるのが水の浦地区にある「100段階段」である。実際には180段程度あるのだが、階段の途中に「100段ごくろうさま」と書かれているため、「100段階段」と呼ばれている。
引き出し収集していく穴は、すべてが上から下へ降りながら作業を進めていくとは限らない。下から器材を持ち上げていき、ごみを積み込んで下ってくるバターンもある。「100段階段」がまさにそれに該当し、作業員はバラと枠を担いで階段を上がっていかなければならない。


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