バラを担いで階段を上がり、枝分かれしたところのステーションのごみを集めて回る。一度に多くのごみを引き出し、作業効率が上がるよう、ごみ袋の結び目の余長を利用してごみを数珠つなぎにして、バラを置いている場所までまとめて持って行く。
枝からのごみがまとまれば、バラを滑り降ろすように「100段階段」を一気に下っていく。再度筆者も挑戦してみたが、ごみが重たくてバラを操舵できず、また、スピードのコントロールもできず、階段の脇の民家に突っ込んでいきそうになった。ギブアップして宮本氏に代わっていただいた。
独特のごみ収集サービスを持続させていくために
峰氏も宮本氏もともに、軽快にバラを操作して階段を下っていった。素人が一朝一夕にできる仕事ではないと痛感した。
「100段階段」からの引き出し収集が終われば、付近のステーションに仮置きし、収集車に乗り換えて、車道沿いのステーション収集を行っていく。昼からは仮置きしたバラのごみを収集車で収集して回り、引き出し収集のごみは清掃工場に運ばれていく。
人口が集中する東京23区内ですら、業務を受託する清掃会社の方々からは、労働力人口の減少により社員の確保がかなり厳しくなってきている切実な状況をお伺いしている。東京でもこのような状態であるので、それ以外の地区では廃棄物収集の人員確保が今後難しくなっていく。このことはすなわち、現状はこれまでの「官から民へ」や「民業圧迫」と言える状況ではなくなっているということである。
そのような中で、長崎市のケースでかすかに光明が差しているのは、完全に退職不補充とはせず、継続的に若手を採用している点である。独特なノウハウや技術が辛うじて次世代の職員に継承され、地域独特の住民サービスを提供していく態勢が整えられていた。
今後も労働力人口が減少していく中で、地域の実情に合わせた行政サービスが維持されていくよう、その提供体制をどう構築していくかが問われ始めてきている。


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