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「のっぽパン」は、34センチの細長いコッペパンにクリームを挟んだ、静岡県東部のご当地パンだ。1978年の発売以来、半世紀近く地域の人々に愛されてきた。これまでに発売した味のバリエーションはなんと200種類を超える。
毎月2回行われる「工場直売市」に訪れファンに聞いてみたところ、一番人気は発売当初から変わらない「クリーム味」だった。「冷凍してから焼いて食べるとおいしい」と教えてくれる人もいた。
暮らしに溶け込んでいるため、地元を離れて初めて、他県では売っていないと知る人も多いようだ。県外で暮らす家族にわざわざ送る人もいるという。
こんなふうに、根強い人気を誇るのっぽパンだが、店頭から姿を消していた時期がある。2007年に一度生産を終了しているのだ。その際には、ファンが自主的に「さよならのっぽパン」というイベントを開き、最後の出荷を見送ったという逸話が残る。
そんなにも愛されるご当地パンが、なぜ一度消え、どうやって復活したのだろうか。
トレードマークは「名前も性別もない」キリン
のっぽパンが生まれたのは1978年。今からおよそ半世紀前のことだ。誕生の背景には諸説ある。「九州で長いパンが人気らしい」という噂が広まり、それをヒントに開発が始まったという説もあれば、社長が「さくら棒みたいな長いパンができたらいいな」と考えたという説もある。さくら棒とは、静岡県藤枝市の老舗菓子店「大黒屋」の看板商品で、細長い麩菓子のことである。


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