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静岡のソウルフード《のっぽパン》突然の生産終了、ファンは「やめないで」の横断幕で…人気パンが9カ月で復活した舞台裏

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のっぽパン
定番から個性派まで、さまざまな味がそろう「のっぽパン」(写真:筆者撮影)
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真相はともかく、目指したのは「長いパン」だった。のっぽパンの長さは34センチ。パンを焼く50センチ×38センチの天板に、できるだけ効率よく並べられるよう考えた結果、この長さに決まったそうだ。ヒットを狙って計算されたというより、工場の設備事情が生んだサイズだった。1枚の天板で、のっぽパンを7本焼くことができる。

天板に並べられた、のっぽパンの生地。このあと発酵させ、オーブンで焼き上げる(写真:バンデロール)

発売当時、のっぽパンを製造していたのは、静岡県沼津市にあるヌマヅベーカリーという会社だった。パンだけでなく、和菓子や団子まで手がける食品メーカーだ。同社は1999年、エヌビーエスへと社名を変えている。取材に応じてくれたのは、当時エヌビーエスの子会社で、現在はのっぽパンの販売元でもある株式会社バンデロールの取締役管理本部長 野田歩氏だ。

のっぽパンについて話を聞いた、バンデロール取締役管理本部長の野田さん(写真:筆者撮影)

「パッケージに描かれたキリンのキャラクターについては、細長いパンのイメージに合わせて、デザイン担当の社員が選んだと伝わっています。でも、隣の三島市にある公園、『楽寿園』で飼われていたキリンがモデルとなったという説もあるんです」

楽寿園には今も「どうぶつ広場」がある。1978年当時はキリンが飼育されていたようだ。

のっぽパンのパッケージに描かれているキリンのキャラクター(写真:筆者撮影)

のっぽパンのキリンには正式な名前はなく、性別も不明で、首から下のデザインも存在しない。設定が定まらないまま半世紀近く経った、非常にミステリアスな存在だ。

だが、その素性の曖昧さは、自在に姿を変える余白になっている。

「牛乳味なら牛の被り物を頭にのせ、ピーナッツ味なら落花生を口にくわえるなど、味やコラボごとにビジュアルを変えています。(デザイン会社に)自由に遊んでもらってるんです」と楽しそうに笑う野田さん。

味やコラボに合わせて姿を変える、のっぽパンのキリン(写真:筆者撮影)

愛ゆえの激怒…私ののっぽ事件

発売後すぐに、のっぽパンはヌマヅベーカリーの看板商品に成長した。学校給食のパンをはじめ、さまざまなパンを手がける中でも、一番の売れ筋だったという。「きょうだいで分けて食べるのにちょうどよい長さ」という声もあったようだ。

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