根強いファンのために、企画書を書き始めた
生産が終了したあとも、ネット上ではのっぽパンを惜しむ投稿が多かった。バンデロール内でも「もったいない」という声が広がっていたが、連続生産ラインはもうない。作りたくても、簡単には作れない状況だった。それでも「じゃあ私が」と動いたのが、商品開発を担当していた野田さんだった。廃業から1〜2カ月後、野田さんはのっぽパン復活に向けて企画書を書き始めた。
大変さはあったが、ワクワク感が勝ったという。根強いファンがいることはわかっていたからだ。
「新しい形で提案したら、もう一度ファンに受け入れてもらえるかもしれないと思いました」
とはいえ、簡単な道のりではなかった。最大の壁は製造方法だ。かつて1日5万本を焼き上げた生産ラインはもう存在しない。ただ、1978年の発売当初に使っていた天板は手元にあった。「なにかに使うだろう」と残しておいたものだ。当時は、天板を30枚ほどラックに挿し、ラックごとオーブンに入れて焼いていた。この方法であれば、新しい設備を導入しなくても、のっぽパンを製造できる。
製造方法の課題は、原点に戻ることで解決する。手作業の工程は増えるものの、のっぽパン復活の道筋が見えてきた。


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