『仕事で悩まない人の相談力』船見敏子(WAVE出版)
まずおすすめしたいのが、この『仕事で悩まない人の相談力』です。
高学歴の人ほど、「まず自分で考えなければ」と思いがちです。わからないことがあっても検索し、資料を読み、仮説を立てる。「これくらいは自分で解決してからでないと、人に聞いてはいけない」と考える。
でも仕事では、その30分の自己解決が、3時間の遠回りになることがあります。
本書のおすすめのポイントは、「相談」を最後の手段ではなく、最初の一歩として捉えている点です。責任感が強い人ほど相談を後回しにしがちだとしたうえで、誰に相談するか、忙しい人にどう声をかけるか、納期が遅れそうなときにどう支援を求めるかなど、かなり具体的な技術まで紹介されています。
相談は、「自分では解けませんでした」という敗北宣言ではありません。仕事においては、方向性を早い段階ですり合わせるための技術だと言えます。
勉強では、自力で解ける人ほど優秀でした。でも仕事では、必要なタイミングで人を頼れる人のほうが強い。このルール変更を理解するために、とてもいい本だと思います。
ある程度仕事ができるようになった人ほど刺さる本
『抱え込む上司はいらない』岩崎徹也(笠間書院)
次は、ある程度仕事ができるようになった人ほど刺さる本、『抱え込む上司はいらない』です。
「部下に説明するくらいなら、自分でやったほうが早い」「任せるとクオリティが下がるから、最後は自分で直したほうがいい」
頭の回転が速い人ほど、こうなりやすいんですよね。確かに、短期的には自分でやったほうが早い。でも、それを続けていると、自分だけが忙しくなって、周囲はいつまで経っても育ちません。
本書は、権限委譲を「上司がラクをするため」ではなく、組織の力を底上げし、部下に経験を与え、上司自身が未来を考える余裕をつくるための戦略だと位置づけています。目的、ゴール、任せる権限の範囲をどう設定するかまで整理されているのも実践的です。
高学歴の人は、「自分ができること」に自信を持っています。それ自体は素晴らしいことです。
でも社会人になると、どこかで評価軸を、「自分ができる」から「人ができる状態をつくる」へと変えなければならない。本書は、その切り替えをするのに向いている本だと言えます。




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