迷走を続けたトランプ米政権の経済政策がたどり着いた先が、先般実施された日米協調為替介入だったのではないか。
トランプ政権が円安阻止に取り組む日本政府に協力したのは、貿易赤字を削減するという同政権の経済政策上の重要な目標を実現する狙いが大きかったと考えられる。ここで同政権発足以来、初めて日米の利害が一致したといえるだろう。
米国の貿易赤字は他国からの押しつけ?
トランプ大統領は、自由貿易や通貨で世界のリーダーであるというアメリカの地位を他国が逆手に取り、長年、同国に対して不利益を押し付けてきたと考えている。その不利益の象徴がアメリカの巨額の貿易赤字だ。他国の不公正な貿易慣行と、基軸通貨であるドルの宿命ともいえるドル高傾向の双方が、アメリカ企業の輸出競争力を損ね、貿易赤字を拡大させてきたとみている。そのため、大統領は一貫して貿易赤字の縮小を目指している。
貿易赤字縮小のためトランプ大統領は関税措置を発動してきたが、相互関税は今年2月に連邦最高裁判所で違憲判決が下るなど行き詰まりもみられ、関税だけで貿易赤字を解消するのは無理なことも明らかになった。さらに関税は国内企業や家計の負担となるため、アメリカ国内での批判も高まっている。
こうした中、ドル高修正を通じて貿易赤字縮小を目指す方向へと、軸足を移しつつあるようにみられる。しかし当初検討された、主要国の協調介入によるドル高修正策(マールアラーゴ合意)に、他国の協力が得られないことは明らかだった。
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