※記事の内容は東洋経済の解説動画シリーズ「青山和弘の政治の見方」の下記の動画(後編)から一部を抜粋したものです。外部配信先では動画を視聴できない場合があるため、東洋経済オンライン内、または東洋経済オンラインのYouTubeでご覧ください。
食品消費税減税に「反対」の理由
――食料品の消費税について、2027年4月から2年間1%に引き下げる政府案が閣議決定されました。この案に対して、国民民主党が反対を貫いているのはなぜですか?
前提として、われわれは消費税を減税することが「絶対NG」とは思っていません。
とくに「デフレギャップ」といって、経済がデフレで、需要が大きく落ち込んでいるときには有効な手段といえます。それこそ新型コロナウイルスが流行していたときは、10兆円、15兆円という巨額のデフレギャップがあった。そういう場合に、例えば消費税を5%に一律減税すれば、消費を活性化して経済を元気にしていくことができます。
われわれは基本的に、消費税減税は景気の"調整弁”と考えて、景気が悪いときには下げ、よくなれば戻せばいいという発想です。で、今はどうか。日本経済は圧倒的にインフレですよね。連続的な物価の上昇が、2021年ぐらいから確実に起きています。
デフレを脱却する際には非常に有効な手段でも、インフレ下で減税をやると、デメリットのほうが大きくなってしまう。われわれの基準は、名目賃金上昇率が物価上昇率のプラス2%くらい、つまり今でいうと5%くらいに達して、それが数年続いたら、もうさすがに財政政策や金融政策で“吹かす”ことは必要ない、という考え方です。
そういう意味では、ここ3年は5%の賃金上昇が続いていますし、実質賃金も今年に入って1月から5月まで、連続でプラスに推移しています。消費税を減税する経済的意義がなくなっており、やってしまうとかえってインフレを加速させる懸念があります。
われわれの公約でも、消費税の減税についてはもともと"条件付き”でした。生命保険の注意書きじゃないですけど、細かいところまで見ていなかった人からすれば「減税すると公約で掲げていたじゃないか」と思うかもしれません。そういう条件付きだったってことを、もう少しわかりやすく伝えることができればよかったのですが。


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