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今回登場するのは、勝倉千尋さん。上智大学外国語学部ドイツ語学科を卒業後、三菱UFJ銀行で不動産ファイナンスを担当するエリート銀行員だった彼女は、2019年に銀行を辞め、「モテコンサル勝倉」として独立。現在は結婚相談所「ナレソメ予備校」の代表をしている。
源氏物語を原文で読んでいた高校生が、メガバンクの不動産ファイナンスを経て、なぜ「モテない」人々の悩みに向き合う仕事に行き着いたのか。その振れ幅の大きさは、彼女自身の幼少期に遡る。
ずっと本を読んでいた少女
勝倉さんは、東京都の端にある中流家庭で生まれ育った。父親は高卒で、会社員として年収1000万円ほどを稼ぎ、母親も高卒の専業主婦。いわゆる教育熱心な家庭ではなかったが、家の中には、あふれんばかりの本があった。とりわけ、父は『三国志』を、母は林真理子のエッセイを好んだ。
本人によれば、「2〜3歳の頃から、ずっと本を読んでいた」という。最初は祖父母による読み聞かせだった。祖父や祖母が途中のページを飛ばすと、幼い勝倉さんはすぐに「話が違くない?」と指摘した。ただ音を聞いていたわけでも、イラストを目で追っていたわけでもない。物語の内容を理解し、記憶していたのだ。
その頃にはすでに、彼女は「読む」という行為に没頭していた。
小学校に入ってからも、本を読む習慣は変わらなかった。特に好きだったのは、偉人の伝記だ。マザー・テレサやカエサルをはじめ、さまざまな人物の思想や生き様に夢中になった。
家の随所に飾ってあった名画の数々も、彼女の知的好奇心を刺激した。階段に掛けられたベラスケスの『ラス・メニーナス』をきっかけに、スペイン王室に興味を持った。王室の権力構造や人間関係、人の心の仄暗さにも思いを巡らせるようになる。


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