古くからパスタを扱っているが、その味わいが高く評価されるようになったのは、2010年以降だという。
「もともとは、普通のパスタだったんですよ。ですが、パスタメーカーと懇意にするなかで、パスタの味を追求するプロジェクトが立ち上がりました。よりおいしくするには、高温の状態でソースと麺を絡める必要があるということで、2010年に全店にIHクッキングヒーターを導入したんです」(杉山社長)
IHの導入後はパスタの評価が上がり、それからずっと評判が良いのだという。定番人気は、「ナスとベーコンのトマトソース」(935円~)と「海老とアボカドのバジルソース 生パスタ」(968円~)。
こだわりは、パスタの量にも反映されている。グラム数は非公開だが、他社のカフェチェーンと比較すると違いが認識できるほど量が多いのだという。このボリュームから男性にも多く選ばれているが、「少し多すぎるかもしれない」と杉山社長は苦笑した。
原材料費が上がり続けるなかで、値上げをしない選択をするなら量を減らすなどの対応が求められる。しかし、小売では一般的でも外食では、なかなか難しい事情があるという。評判が良いからこそ慎重な判断が迫られるようだ。
なぜ「ネオ大衆酒場」だったのか
そんなプロントでは、2021年3月に大胆な施策を打ち出した。昭和レトロの様相を呈する「キッサカバ」へのリブランディングだ。夜間の集客に課題があったところに、コロナ禍の大打撃が重なり、約50店が閉店する危機的状況に陥っていたためだ。
「ちょうど中長期の戦略を考えていた最中、コロナ禍で事態が急変しました。議論を重ねるなか、流行の兆しがあった『ネオ大衆酒場』が浮上して、『やってみよう!』と。30年以上やってきた『カフェ&バー』を捨てて、また30年かけて『キッサカバ』を育てていこうというわけではなく、この状況を何とかしなければというのが本音でした」(杉山社長)
キッサカバでは、大きなのれんにピンクのネオンと、一目で「酒場」だと分かる外観に模様替えをする。さらに、店員の装いをシャツからTシャツに変え、サービスも以前よりフランクにした。
メニューは和テイストに寄せ、新たにフライヤーを導入して揚げ物に注力。クリームソーダやナポリタンといった昭和レトロを連想させるメニューも豊富に用意している。かなり固めに仕上げたプリンやタコさんウインナーは、特に人気が高い。


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