ふむ、なるほど。いろいろな指標において、60歳くらいで急速に進むというのは間違いなさそうだ。そして、思っているより早く、すでに40代で老化が始まっている。
えっ、そんなに早い段階で、と思われる人が多いかもしれないが、実際そういうものなのだからいたしかたなし。それが、あまり自覚されることなくゆっくりと進み、60歳くらいで加速する、というのが正しい認識だ。
多くの名登山家が43歳で遭難死している
探検家・角幡唯介による『43歳頂点論』(新潮新書)は、タイトルのとおり、43歳が人間としての頂点ではないかと論じている本である。最初に紹介した論文のことも一応は言及されているが、それとはまったく関係なく、自らの経験から導かれた結論だ。
なかなか面白い論考である。まずは、30代が人生の「頂点に向けて駆け上がっていく黄金期」ではないかという。探検家としての話ではあるが、ノーベル賞だって受賞対象となる研究は35歳~45歳とされているから、研究者も似たようなものだろう。
もうひとつ、植村直己、長谷川恒男、星野道夫といった名登山家が43歳で遭難死したことが重要な事項としてあげられ、これは偶然とは言い切れないのではないかと論じていく。
次第に体力が衰え始めるが、経験に基づいた発想はスケールアップしていく。若い間は、体力が発想を上回っていたので問題はないのだが、どの時点かで両者が逆転する。それが40代の前半ではないかというのだ。そして、それが遭難死につながったのではないかと。
もちろん我々は登山家や探検家ではない。しかし、なんとなくうなずけはしないだろうか。


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