ところが、である。書き始めたその日に、その学術誌の編集部が「解析の一部についての信頼性に疑義が生じた」というコメントをつけていた。
が~~~ん、ショック。まさか、である。そんなもん紹介するな! という声が脳内でこだまする。スンマセン。しかし他にも、老化が一定速度で進むわけではないという研究があるからご安心をば。
老化が加速するのは60代だが、始まるのはもっと早い
ひとつは血漿タンパク質の解析である。18歳から95歳の4000人あまりで3000種類近くのタンパク質を調べたところ、34歳、60歳、78歳で変化に波があるということがわかった論文だ。先の論文と60歳というのが一致していて、偶然じゃないのかもと気になるところだ。
もっとわかりやすい、生理機能の低下についての論文もある。ひとつは筋力である。40代後半から低下が目立ち始めて、60歳以降ではさらに加速するとされている。
ちょっと面白いのは、筋肉量よりも筋力が先に落ちること。どういうことかというと、神経系も関係する筋肉の使い方の衰えの方が、筋肉そのものの衰えよりも先にくるというのである。逆向きの話だけど、筋トレでも、筋肉がつくよりも、筋力の向上の方が早いのと同じようなことかも。なんとなくわかる。
最大酸素摂取量(VO2max)――持久力を示す指標で、1分あたりに体内に取り込むことができる酸素の最大量――を800人について8年間調査した研究もある。
若いうちはゆっくり低下して、やはり60歳前後から低下が著しくなることが報告されている。歩行速度、椅子からの立ち上がり、片脚立ちといった身体能力も40代後半くらいから低下が始まり50~70代で加速する。さらに、運動能力も40歳頃から低下し始め、65歳から加速するという。


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