慢性の痛みは「脳の誤作動」が引き起こしている
私たちが感じる「痛み」とは、本来、身体を守るために脳が発している警告サイン、つまり「防御反応」です。例えば、膝が痛いとき、多くの人は「膝そのものが悪い」と思い込みがちです。脳が「これ以上無理をしないで」と痛みで知らせているにもかかわらず、痛みを局所の異常を知らせるサインだと捉えてしまうのです。
そして、痛みが長引くほど、病院に通ったり、マッサージやストレッチを習慣にしたりと、様々な対策を講じます。しかし、稲村氏は「よかれと思ってやっていたこれらのことが、ますます痛みを長引かせている原因かもしれない」と警鐘を鳴らします。
慢性的な痛みは、すでに傷や炎症が治まっているにもかかわらず、脳が痛みをつくり出している状態とも言えます。脳が「痛みを忘れるな」とばかりに、日常の動作や軽い刺激に対して過敏に反応し、痛みを引き起こすため、治療してもなかなか治らないのです。

