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日本学生支援機構の「大学、短期大学及び高等専門学校における障害のある学生の修学支援に関する実態調査結果報告書」によると、2024年度の発達障害のある学生数(大学生、短大生、高専生)は1万1923人に上り、10年前(14年度2722人)から約4倍に増えている。
こうした変化には、どのような背景があるのか。
30年以上にわたり学生相談室で専任カウンセラーを務めてきた甲南大学文学部教授の高石恭子氏は、「以前の大学においては、発達障害は子どもの問題であると捉えられ、そうした特性のある学生が在籍しているという認識がなかった」と振り返る。
「そのため1990年代頃までは、例えば集団の中でパニックになり大声が出てしまうといった行動は、ほかの学生に影響を与える問題行動とみなされて矯正指導の対象になり、発達に課題のある学生は学びたくても大学を去らざるをえないケースが少なくありませんでした」
なぜ「発達障害のある学生」が増えた?
状況が変化し始めたのは、発達障害者支援法が施行された2005年頃のこと。同法で発達障害が定義され、児童生徒や高等教育の学生が支援の対象だという認識が生まれた。すぐには浸透しなかったが、徐々に法整備が進んだことで現場の意識は変わっていったという。
「とくに11年にセンター試験の特別措置の対象に発達障害が含まれたことで、支援や配慮の対象であることが広く認識されました。さらに、16年の障害者差別解消法施行によって国立大学で、24年の同法改正によって私立大学で合理的配慮の提供が義務化。法的な裏付けがなされる中、受験上の配慮の申請をするために診断を受けて入試を突破する方が増えたことが、日本学生支援機構の調査結果の変化にもつながっているのでしょう」

