
また、新自由主義の波が広がり、日本の高等教育の人材育成が変化してきたことも影響していると高石氏は見ている。
「その象徴といえる『GPA制度』により、成績評価が厳しくなり序列化され始めたことで、学生たちは入学直後から卒業後のキャリアデザインを意識せざるをえず、ゆとりがないのが現状です。大学からの管理も細かく、学生は必死。発達特性のある方はこうした環境が合わないことも多く、合理的配慮を受けないと大学生活をまっとうできないと考え、発達障害の診断を受けたり、支援を受けたりする学生も増えています」
課題が間に合わない・・・「特性ゆえの困り事」
では、発達特性のある学生は、どんなことに困っているのだろうか。
「1人ひとり得意・不得意が異なるため一概には言えませんが、脳の情報処理の特性があるとされています。発達特性のある方は情報の取捨選択が難しく、あらゆる刺激をすべて受け取ります。その特性が聴覚過敏として表れた場合、大教室でもコソコソ話が気になって教室にいられなくなることも。また、『過去・現在・未来』をストーリーでつなぐのが苦手、というのも特性の1つです。過去と同じ失敗をしたり、レポートの締め切りや就活の申し込み期限に向けて計画的に物事を進められなかったりして、課題が間に合わずに単位が取れない学生もいます」

