甲南大学では学生約9000人のうち約2%が障害の届出をしており、そのうちの約2割が発達障害のある学生だという。
「コロナ禍以前に比べて発達障害をはじめ支援の必要な障害学生は増えています。これはどこの大学でも同じかと思いますが、スタッフは常にフル稼働で人が足りていません」と、高石氏。学生支援は1人ひとり異なるうえ、継続的な支援が必要だ。入試の変化もあり多様な学生を受け入れる時代となった今、各高等教育機関は、支援を可能とするマンパワーや仕組みをどれだけ担保できるかが課題だと言える。
「高校と大学の合理的配慮」には違いがある
一方、合理的配慮の提供を受ける側も、「高校と大学の合理的配慮には違いがある」ことを理解しておくことが、スムーズに学生生活を送るうえで重要だと高石氏は指摘する。
「発達特性によってどうしてもできないことがある場合、高校までは課題の量を減らすなどの『ゴールを下げる』対応を取ることもあります。しかし、大学では授業や試験にアクセスする方法は提供できても、単位取得に必要な水準というゴールは変えられません。それを理解していないと、『高校では配慮してもらえたのに』と思ってしまいます。高校と大学の合理的配慮の違いを理解したうえで、自分は何が苦手でどんな方法ならアクセスできるのか、大学と建設的な対話を行い、自らの教育を受ける権利を守ることが大切です。高校の先生方も、その子の特性に合った進路指導をしていただけたらと思います」
社会の変化に伴い、発達特性のある大学生やその相談は今後も増加していくだろう。学びを継続するためには、高等教育機関での1人ひとりに合わせた対応とともに、支援を受ける側の認識と取り組みも大きなポイントになりそうだ。



